インド最貧州ビハールの村
なぜ基礎教育の機会を届けるのか
「家族の人数が答えられません」「月の収支が分かりません」「読み・書き・計算ができません」
「仕事は建設や農業で、日雇い労働です」「1日8時間働いて300INR(500円ほど)ほどの稼ぎです」
「働きたくても15日ほどが最大で、厳しい月は1日も働けない=収入がゼロの月もあります」
「支出はすべて口に入るものであり、エンゲル係数は100%の家庭も多くあります」
「祭りや結婚の際に多額の借金を月利10%を超える利率で抱えることもあります」
「激しい雨が降ると浸水して家の中で眠れません」
この様な家庭、人が田舎の村には多くいます。教育を受けていないから起きる課題とはどのようなものか?
外部の文字情報へのアクセスがほとんどできないために騙されやすく、人の言うことを信じる。とりわけうまい話しには飛びつく方が多いです。銀行員が手数料と称して徴収するお金や役所の手続きにかかる手数料と称して徴収される賄賂を払っています。このことに対して疑問を抱かず、「ここでこういうことをする場合にはこれぐらいかかるもの」という常識だと思っています。より残酷なケースだと、悪いことだという認識がなくドラッグ・お酒に溺れ、家族を虐待し、またそれらを購入するために子供作って売る家庭もあります。子供を売ることを辞めないなら警察へ通報をすると伝え、売ることを辞めるか孤児院に預けるかの選択を迫った時に喜んで孤児院に預ける方を選ぶ。
私たちがすべきだと考えていること
この様な状況に対して私たちはまずは外部の情報へアクセスするためのリテラシーとしてヒンディー語(国語)・英語・数学の3教科に注力し、教育活動を実施・支援しています。同時に倫理・道徳教育を施し、大人になった際に上記のように子供を売る、ドラッグやお酒に溺れるなどということに対して疑問を抱き、そのような行為を実施しないような状況にしていきます。
まずは外部環境がどうであれ、生命を維持することができ、それが小さくとも自ら努力することができる機会を提供します。同時に、「上のレベルの勉強を教えられる人がいない」「勉強をしても何もよいことがない」という状態もあり、このような状況が続くと「勉強しても新しいことを知れないからつまらない。外で遊んでいた方がいい」「結局勉強をしてもいい仕事には付けないし何も変わらないなら物乞いしていた方がいい」という現存する状況を助長する結果にもつながりかねないと考えています。
実際に公立学校や一部の社会活動の教育の質は極めて低く、先生が来ない、先生が来てもチャイを飲んでいたり雑談をしていたりする。教育活動をしていても毎日同じことだけを教えているという状況が散見されます。その様なことに陥らないよう、オンラインコンテンツの活用、インド国内外問わずオンラインボランティアの方々とともに現場の教育サポートを実施していきます。その上で、経済動向・政治動向を見極めつつ、職業訓練の実施、仕事紹介なども実施していきます。