結び手の設立背景と想い
~団体に懸ける想い~
インドのブッダガヤ近郊のドゥムリ村では5人家族を養うお父さんの仕事は月に最大でも15日、1日500円以下の建設現場の仕事しかありません。1日も仕事が無い月もあります。貯金は無く、飢えと闘いながら生きています。文字の読み書きもできません。子供の教育が重要だとは全く考えていません。子供がどれだけ学びたくても一般的に児童労働と呼ばれるような状況に強制的に入っていきます。当然毎日のご飯を食べるために働くのであり、親を責めることは難しい状況です。
”仕事=誰かに影響を与えてその対価をもらうこと”という自分の中での答えを見出した時、同時に”誰にどのような影響を与えたいのか”が分かりませんでした。大学を卒業してバックパッカーをしているとき、インドに身を置いて仕事をしている時、目の前に”努力したくても外部環境が原因でできない”人に会ってきました。
この世界は大半が資本主義で周っており、安く作って高く売ることで利益を出すことが求められています。この仕組みである以上”差”が出ることは仕方がありません。ただ、この仕組みの中にはインドの人々の様に何かしたくても外部環境が原因でできない人が多くいるのも事実です。この様な状況を解決すべく現地で活動する社会活動家も多くいます。しかし課題は解決されていません。
なぜなら課題は増え続けており、解決しようと動く人には自身の仕事・生活があり、”お金”を稼ぐために仕組みを推進しなければいけないからです。かつ彼ら彼女らは現場で信頼を得て活動することにかけては本当に尊敬でき、信頼ができますが、活動資金の集め方、支援者への連絡、社会活動の失敗例・成功例、工夫、ノウハウなどは苦手な方も多くいます。私はグアテマラやインドで観た”外部環境が原因で機会が無くて努力できない”状況を悲しく思うとともに怒りを抱き、影響を及ぼすことに対する覚悟を決め、行動することを決めました。
コロナ禍において2020年、2021年、緊急性の高い状況での食料支援・医療支援活動を計10,000名に届ける活動を実施しました。250名を超える方から400万円を超える寄付をお預かりし、全て現場の活動に活用しました。その時、外部環境の変化があっても緊急性の高い寄付が必要ではない状況を創る必要を強く感じ、団体として活動することを決意しました。同時に実際に現地で活動している方と話しをし、共に活動していく中で彼ら彼女らと協力しつつ課題を解決するためのプラットフォームを創りつつ、解決していくことを決めました。
一方で日本には知見・人脈・資金が豊富な65歳以上の方が多いことを「課題」としています。私にはそうは思えません。認知症等の高齢が背景となる事象、そこから生じる課題はありえるのかもしれませんが、未然に防ぐ活動をするどころか、様々な方の知見・人脈・資金と共に世界の社会課題を解決していきます。当然年代問わず社会課題解決を目指す方々、企業、組織と共に解決していきます。
それがこのNPO法人結び手設立の背景です。日本には”何かしたいけどどうすれば善いか分からない”という方がいます。実際に個人的に寄付をしていただくこともあります。その様な”想い”を具体的な課題解決という”形”に繋げる団体として国や人種を問わず”外部環境が原因で努力ができない”という状況を変え、あらゆる人が”明日のことを考えて1日を終えられる”世界を創っていきます。
代表理事 福岡 洸太郎